BMW XMはなぜひどいと言われる?専門家が解説する理由と再評価の視点

モーターショーで展示されたBMW XMを前に、日本人ジャーナリストが驚きと戸惑いを交えた表情で車を見つめる情景。 BMW

渡辺 悠真

こんにちは、モータージャーナリストの渡辺悠真です。トヨタディーラーやカスタムショップでの経験を経て、現在は年間60台以上の新型車を試乗・分析しています。今回は賛否両論のBMW XMを取り上げ、「ひどい」と言われる理由と、その裏に隠れた魅力を徹底解説。M専用モデルとしての挑戦の本質を、多角的な視点で掘り下げます。

記事のポイント

  • Mファンの期待を裏切る挑戦的なデザイン
  • 2.7トンの車重とPHEVの中途半端さ
  • 2000万円超えの価格と競合との比較
  • V8+モーターが生む唯一無二の圧倒的加速力
  • 豪華なMラウンジと唯一無二の存在感

「BMW XMがひどい」。インターネットでこの車の名前を検索すると、驚くほど手厳しい言葉が並びます。私も初めてジュネーブのモーターショーでコンセプトモデルを目の当たりにしたとき、そのあまりにも大胆で挑戦的な姿に、正直なところ言葉を失いました。これが、あの伝説のM1以来となるM専用モデルなのか、と。

長年、自動車ディーラーの営業として、そしてカスタムショップのメカニックとして、数え切れないほどのBMW、特にMモデルに触れてきました。お客様がMモデルに寄せる期待、それは「駆けぬける歓び」を究極の形で体現した、ピュアなドライビングマシンであること。その熱い想いを肌で感じてきたからこそ、このXMに向けられる厳しい声には、共感できる部分も少なくありません。

しかし、本当にXMは単に「ひどい」の一言で片付けてしまって良い車なのでしょうか。フリーランスのモータージャーナリストとして世界中の車を見てきた今、表面的な批判だけでは見えてこない、この車の本質的な価値や、BMWが描こうとしている未来があるのではないかと感じています。

この記事では、なぜBMW XMがこれほどまでに酷評されるのか、その具体的な理由を私の経験も交えながら深掘りします。そして、その上で、批判の裏に隠された魅力や、新しい時代のラグジュアリーカーとしての価値を再評価していきます。あなたがもし、XMに対する世間の評価に疑問を感じていたり、その真の姿を知りたいと思っているのであれば、この記事はきっと新たな視点を提供できるはずです。

BMW XMがひどいと酷評される具体的な理由

BMW XMの大型グリルを前に日本人自動車ファンが腕を組み困惑する表情を見せ、デザインへの批判を象徴する情景。

  • M専用モデルへの期待を裏切るデザイン
  • 2.7トンを超える車重がもたらす運動性能の鈍さ
  • PHEVとしてのパフォーマンスと燃費のミスマッチ
  • 2000万円を超える強気な価格設定への疑問
  • BMWの伝統的なファン層との乖離
  • 競合スーパーSUVと比較した際の中途半端さ

まず、目を背けるわけにはいかないのが、XMに向けられる数々の批判です。なぜこれほどまでに物議を醸す存在となってしまったのか。その背景には、デザインから性能、価格に至るまで、複合的な要因が絡み合っています。ここでは、多くの自動車ファンが「ひどい」と感じる具体的な理由を、一つひとつ丁寧に解き明かしていきましょう。

M専用モデルへの期待を裏切るデザイン

BMW XMの迫力あるデザインとM1の写真を見比べ、日本人ファンが驚きと戸惑いの表情を見せ、伝統とのギャップを感じる情景。

BMWのMモデルといえば、いつの時代もモータースポーツ直系の洗練された機能美が魅力でした。しかし、XMのデザインは、その伝統とは一線を画すものです。特に、1978年に登場した伝説的なスーパーカー「M1」以来のM専用モデルという触れ込みだっただけに、ファンの期待は非常に高かったのです。

多くの人が思い描いていたのは、おそらく低く構えた流麗なクーペや、軽量なスポーツカーだったのではないでしょうか。そこに現れたのが、巨大なキドニーグリルを掲げ、威圧的なまでの存在感を放つ大型SUVでした。これは、例えるなら、老舗の料亭が突然、奇抜な創作料理を看板メニューにし始めたような驚きに近いかもしれません。

分割されたヘッドライト、幾何学的なラインで構成されたボディパネル、そして巨大な体躯。そのどれもが、従来のBMWが持つスポーティーでエレガントなイメージとは異質に映ります。ディーラーの営業時代、M3やM5を心待ちにするお客様の多くは、サーキット由来の機能的なデザインに心酔していました。XMのデザインは、そうした長年のファンがMに求めてきた価値観とは、明らかに違う方向を向いているのです。このデザインの変革が、古くからのファンにとって「期待外れ」であり、「裏切り」とまで感じさせてしまう最大の要因と言えるでしょう。

もちろん、デザインの好みは人それぞれです。しかし、ブランドが長年かけて築き上げてきたイメージと大きく異なるものを提示したとき、そこには必ず強い反発が生まれます。XMのデザイン論争は、まさにその典型的な例なのかもしれません。

では、見た目だけでなく、その走り、つまり運動性能についてはどう評価されているのでしょうか。次のセクションでは、その巨体がもたらす影響について掘り下げていきます。

2.7トンを超える車重がもたらす運動性能の鈍さ

BMW M社の哲学の根幹には、いつだって「軽量化」がありました。パワーを上げるよりも、まず車体を軽くすること。それが運動性能を高める最も効果的な手段であることを、彼らは誰よりも理解していたはずです。私がカスタムショップで働いていた頃も、お客様からのオーダーで最も多かったのが軽量化に関するものでした。カーボンパーツへの換装や内装の撤去など、1kgを削り出すために多くの時間と費用を費やす世界です。

そんな世界観から見ると、BMW XMの車両重量は約2.7トン(正確には2,710kg)。この数字は衝撃的ですらあります。これは、一般的なスポーツセダンであるM3の約1.5倍、スーパーカーの代表格であるポルシェ911の2倍近い重さです。どれだけ強力なエンジンを積んでも、物理の法則からは逃れられません。重い物体は動き出しにくく、止まりにくく、そして曲がりにくいのです。

もちろん、BMWの技術者たちはこの重量を克服するために、最新鋭の電子制御サスペンションやアクティブ・スタビライザー、後輪操舵システムといったあらゆる技術を投入しています。直線での安定性や、日常的な速度域での乗り心地は、見事にコントロールされていると言えるでしょう。しかし、ワインディングロードを駆け抜けるような場面では、どうしてもその重さが顔を覗かせます。

コーナーの進入でノーズが入りきらない感覚や、切り返しでの僅かな揺り戻しなど、「人馬一体」と評されてきた従来のMモデルが持つ軽快感や鋭敏さとは、明らかに違う乗り味なのです。これは、高性能な登山靴を履いていても、重いバックパックを背負っていると軽快には動けないのと同じ理屈です。この運動性能の「鈍さ」こそが、Mの走りを愛する人々にとって、看過できないポイントとなっているのです。

この重さの大きな原因となっているのが、PHEV、つまりプラグインハイブリッドシステムです。では、その電動化はXMにどのような影響を与えているのでしょうか。

PHEVとしてのパフォーマンスと燃費のミスマッチ

BMW XMのエンジンルームを前に日本人評論家が首をかしげ、PHEVとしての環境性能とMモデルのパフォーマンスの矛盾に悩む情景。

BMW XMが採用したプラグインハイブリッド(PHEV)というパワートレインは、それ自体が大きな議論の的となっています。Mモデル初の電動化、という響きは未来的で魅力的ですが、その実態を見ると、いくつかの矛盾点が浮かび上がってくるのです。

まず、PHEVの目的を考えてみましょう。一般的には、日常的な短距離移動は電気だけで静かにこなし、環境負荷を低減する。そして長距離移動やパワーが必要な場面ではエンジンを使う、という二つの側面を両立させるためのシステムです。XMも、約90kmのEV走行が可能で、カタログ上の燃費も非常に優秀です。

しかし、これは「M」のバッジを付けた車です。オーナーが期待するのは、究極のパフォーマンスと官能的な走りのはず。ここでミスマッチが生じます。例えば、サーキットで全開走行を楽しもうとすると、大容量バッテリーはあっという間に電力を消費し、その後は重いおもりを積んだ純粋なV8エンジン車として走ることになります。つまり、最高のパフォーマンスを発揮できる時間は限られているのです。

一方で、環境性能を重視するならば、そもそもなぜ4.4リッターV8ツインターボという巨大なエンジンを搭載する必要があるのか、という疑問も湧いてきます。日常的にEV走行を心がけても、一度エンジンがかかれば、その燃費は決して褒められたものではありません。結果として、パフォーマンスを追求する層からは「重いだけで中途半端」と見られ、環境性能を重視する層からは「時代錯誤な大排気量エンジン」と見られてしまう、どっちつかずの状況に陥っているのです。

言ってしまえば、世界最高峰のスプリンターに、マラソンも走れるようにと重い給水ボトルを背負わせているようなものかもしれません。どちらの性能も中途半端になりかねない、という懸念が拭えないのです。

こうしたコンセプトへの疑問は、当然ながらその価格にも向けられることになります。

2000万円を超える強気な価格設定への疑問

BMW XMの価格表示を前に日本人男性が他の高級SUVと比較し、価格とブランド価値のバランスに疑問を抱く様子を描いた情景。

自動車の価値を測る上で、価格は非常に重要な指標です。BMW XMの日本での発売当初の価格は、2,130万円から。これは、BMWのラインナップの中でも群を抜いて高価であり、多くの人々が疑問の声を上げる大きな理由の一つとなっています。

私がディーラーで高級車を販売していた経験から言うと、2000万円という価格帯は、お客様が車に求めるものが単なる性能や品質だけではなくなる領域です。そこには、ブランドが持つ歴史や物語、ステータス、そして他では得られない唯一無二の体験といった、感性的な価値が求められます。

この価格帯のライバルに目を向けてみましょう。ランボルギーニ・ウルス、アストンマーティン・DBX、ポルシェ・カイエンターボGTなど、スーパーカーブランドやスポーツカーブランドが威信をかけて作り上げたモデルがひしめき合っています。これらの車は、ブランドのアイコンとしての強力な求心力を持っています。

一方でXMは、M専用モデルとはいえ、ベースとなるプラットフォームはX7などと共有しており、純粋な専用設計ではありません。デザインやコンセプトがこれほど物議を醸している中で、伝統的なスーパーSUVたちと肩を並べる価格設定は、多くの人にとって「強気すぎる」と映るのも無理はないでしょう。「同じ金額を出すなら、もっとブランドイメージが確立された別の選択肢があるのではないか」という疑問が、購入を検討する人々の頭をよぎるのは自然なことです。

結局のところ、この価格に見合うだけの圧倒的な説得力、あるいは誰もがひれ伏すようなブランドストーリーをXMが提示できているかというと、現状では難しいと言わざるを得ません。この価格設定が、結果的にBMWの伝統的なファン層をさらに遠ざけてしまう一因にもなっています。

BMWの伝統的なファン層との乖離

私が幼い頃に夢中になって集めたカタログの中で、BMWはいつも特別な輝きを放っていました。「シルキーシックス」と称される滑らかな直列6気筒エンジン、後輪駆動(FR)にこだわったシャシー、そしてドライバーと車が一体になるかのようなハンドリング。これこそが、世界中のファンを虜にしてきたBMWの、そしてMモデルの核心的な価値でした。

しかし、BMW XMは、その伝統的な価値観の多くを覆す存在です。まず、そのボディ形状はSUV。そして駆動方式は4WD。心臓部にはモーターを組み合わせたPHEV。これらの要素は、現代の市場ニーズや技術トレンドを考えれば合理的な選択なのかもしれません。

問題は、これが「M専用モデル」として登場したことです。Mのファンは、M社が作る車に、効率や合理性だけではない、ある種の「純粋さ」や「こだわり」を求めています。それは、少し不便でも、時代遅れと言われても守り続けてほしい、ブランドの魂のようなものです。XMの登場は、そうしたファンの想いとは裏腹に、BMWが利益や市場シェアを優先し、ブランドの核であったはずの哲学をないがしろにしているように見えてしまったのです。

これは、長年応援してきたロックバンドが、突然ポップなアイドルソングを歌い始めたときのファンの心境に似ているかもしれません。もちろん、新しい挑戦は必要です。しかし、その挑戦がブランドの根幹を揺るがすものであったとき、古くからのファンは戸惑い、失望し、時には怒りさえ覚えるのです。XMが引き起こした論争の根底には、こうしたBMWと伝統的なファンとの間の、深い溝が存在しているように思えてなりません。

この乖離は、競合ひしめくスーパーSUV市場において、XMの立ち位置を難しいものにしています。

競合スーパーSUVと比較した際の中途半端さ

BMW XMとライバルSUVを比較する日本人自動車ファンが、パフォーマンスとラグジュアリーの中途半端さに悩む表情を見せる情景。

スーパーSUVというカテゴリーは、今や自動車市場で最も熱い戦場の一つです。ランボルギーニ・ウルスが切り拓いたこの市場には、アストンマーティン DBX、ポルシェ・カイエンターボGT、さらにはフェラーリ・プロサングエといった錚々たるモデルが参戦しています。これらのモデルは、それぞれが明確な個性と強みを持っています。

例えば、ウルスは誰もが認めるスーパーカーブランドの血統を持ち、圧倒的なパフォーマンスと派手なスタイリングで独自の地位を築いています。カイエンターボGTは、ポルシェらしい緻密なエンジニアリングに裏打ちされた、サーキットでも通用する驚異的な運動性能が武器です。

では、BMW XMは、この中でどのような立ち位置なのでしょうか。ここが「中途半端」と指摘される所以です。
運動性能で言えば、2.7トンという車重がネックとなり、より軽量でサーキット志向のカイエンターボGTには一歩及ばない、という評価が一般的です。
一方で、ラグジュアリーさやブランドの持つ華やかさで言えば、ウルスやDBXのようなスーパーカーブランドが放つオーラには、どうしても敵わない部分があります。

M専用モデルという特別な出自を持ちながら、パフォーマンスでもラグジュアリーでも頂点に立てていない。結果として、「M」というバッジが持つ「究極」や「最高峰」といったイメージと、実際の車のキャラクターとの間にギャップが生まれてしまい、何を目指しているのかが分かりにくい「中途半端な存在」と見なされてしまうのです。

ここまで、XMがなぜ「ひどい」と言われるのか、その理由を多角的に見てきました。しかし、物語には必ず裏の側面があります。次の章では、これらの批判を覆すほどの魅力がXMに備わっているのか、視点を180度変えて探っていきましょう。

BMW XMはひどいという評価だけで終わらない魅力

BMW XMを背景に、批判的な記事やSNSのコメントが薄く重なる中、日本人モータージャーナリストが車に手を置き、静かに微笑みながら再評価する表情を浮かべているシーン。光と影のコントラストで、これまでの厳しい意見とこれから語られる魅力の両面を象徴。高級SUVらしい存在感とM50周年モデルとしての特別感

  • V8エンジンと電動モーターが生む圧倒的な加速力
  • ラウンジのように豪華で個性的なインテリア空間
  • 他のどの車にも似ていない唯一無二の存在感
  • 最新の運転支援システムと安全性能の高さ
  • 実際に所有するオーナーから見た満足度の高い点
  • 新時代のラグジュアリーSUVとしての価値

さて、ここまでBMW XMに対する厳しい意見を中心に見てきましたが、物事には必ず光と影があります。もしこの車が本当に「ひどい」だけであれば、BMWという百戦錬磨のメーカーが、M社の50周年を記念するモデルとして世に送り出すはずがありません。ここからは、批判の裏に隠されたXMの抗いがたい魅力と、その真価について、私の視点からじっくりと解説していきたいと思います。

V8エンジンと電動モーターが生む圧倒的な加速力

批判の的となった2.7トンという車重。しかし、その巨体をいとも簡単に、そして異次元の感覚で前へと押し出すのが、XMの心臓部であるPHEVシステムです。システムトータルで発揮される最高出力653馬力、最大トルク800Nmというスペックは、もはやスーパーカーの領域です。

私が実際にXMのアクセルを踏み込んだ時の感覚は、今でも鮮明に覚えています。それは、従来の高性能ガソリン車とも、俊敏なピュアEVとも全く違う、独特の体験でした。まず、電動モーターが音もなく、しかし強烈なトルクで巨体を押し出します。まるで巨大な磁石に引き寄せられるかのような、シームレスで滑らかな発進です。そして、アクセルをさらに踏み込むと、眠りから覚めた猛獣のように4.4リッターV8ツインターボエンジンが咆哮を上げ、モーターのアシストと一体となって、背中をシートに叩きつけられるような暴力的な加速が始まります。

0-100km/h加速はわずか4.3秒。このタイム自体も驚異的ですが、特筆すべきはその加速の「質」です。V8エンジンのドラマチックなサウンドと盛り上がり、そして電動モーターのどこまでも続くかのようなトルク感。この二つが融合した加速は、XMでしか味わえない唯一無二の快感と言えるでしょう。高速道路の合流や追い越しなど、日常のあらゆるシーンで、この絶対的なパワーは絶対的な安心感と余裕をもたらしてくれます。重さをネガティブに語られがちですが、その重さを忘れさせるほどのパワーユニットを搭載していることもまた、紛れもない事実なのです。

この圧倒的なパワーは、豪華な室内空間で味わうことで、さらに特別な体験へと昇華します。

ラウンジのように豪華で個性的なインテリア空間

XMのドアを開けて乗り込んだ瞬間、多くの人はエクステリアの印象とはまた違う驚きを感じるはずです。特に後部座席の空間は、「Mラウンジ」と名付けられている通り、これまでのどのMモデルとも、いや、どのSUVとも一線を画す世界が広がっています。

私も初めて後席に座った時、そのコンセプトの大胆さに感銘を受けました。広大なスペースに置かれたソファのようなシートは、体をゆったりと預けることができ、まるで高級ホテルのラウンジにいるかのようなくつろぎを提供してくれます。素材にもこだわりが見られ、ヴィンテージ加工が施されたレザーは、使い込むほどに味が出そうな独特の風合いです。

そして、何よりも印象的なのが、天井を彩る「プリズム・ルーフライニング」です。立体的なプリズム構造のルーフに、100個以上のLEDが埋め込まれ、走行シーンや好みに合わせて様々な色で室内を照らし出します。夜のドライブでは、このイルミネーションが幻想的な雰囲気を演出し、単なる移動時間を特別な体験に変えてくれるでしょう。運転席はMモデルらしい機能的でスポーティーな空間でありながら、後席はショーファードリブンのような豪華絢爛な空間という、この二面性こそがXMのインテリアの真骨頂です。

パフォーマンスを追求するだけでなく、同乗者をもてなし、共に過ごす時間を豊かにするという新しい価値観。これは、従来のMモデルにはなかった、XMならではの明確な魅力と言えるのではないでしょうか。

この唯一無二の空間は、エクステリアの存在感と相まって、XMを特別な存在にしています。

他のどの車にも似ていない唯一無二の存在感

モーターショーでスポットライトを浴びるBMW XMを囲み、驚きと興奮の表情を見せる日本人来場者たち。巨大なキドニーグリルとゴールドのアクセントが強調される。

デザインについて、ここまで批判的な側面から語ってきました。しかし、コインに裏表があるように、その評価は視点を変えれば180度変わります。XMのデザインが「ひどい」のではなく、「唯一無二」であると捉えることもできるのです。

考えてみてください。現代の自動車デザインは、空力や安全基準、そしてブランドイメージの制約の中で、どうしても似通ってくる傾向があります。そんな中で、XMは誰が見ても一目でXMとわかる、強烈なアイデンティティを確立しています。私が各国のモーターショーを巡る中でも、XMの周りには常に黒山の人だかりができていました。それは、賛否はあれど、人の心を強く惹きつける何かがある証拠です。

巨大なキドニーグリル、ゴールドのアクセントライン、縦に配置されたエキゾーストエンド。これらの要素は、街中を走れば誰もが振り返るほどの圧倒的な存在感を放ちます。これは、人と同じものを好まず、常に自分のスタイルを貫きたいと考える人々にとって、何物にも代えがたい魅力となるでしょう。XMを所有するということは、単に車を持つのではなく、「他とは違う自分」というステートメントを社会に示す行為でもあるのです。

ランボルギーニやフェラーリが持つ派手さとはまた違う、重厚で、ある種アバンギャルド(前衛的)なオーラ。この車を選ぶ人は、他人の評価を気にするのではなく、自らの価値観で物事を判断できる、確固たる自信を持った人物像が浮かび上がってきます。この強烈な個性が、XMの最大の魅力の一つであることは間違いありません。

そして、その大胆な外見の内側には、最先端の知性が秘められています。

最新の運転支援システムと安全性能の高さ

高速道路の渋滞でBMW XMを運転する日本人男性がハンドルから手を離し、安心した表情を見せる様子。車線と前走車が明確に認識されている。

XMは、Mモデルとしての過激なパフォーマンスだけでなく、BMWのフラッグシップSUVとして、最先端の運転支援システムと高度な安全性能を兼ね備えています。これは、日常的にこの車と付き合っていく上で、非常に大きなメリットとなります。

特に注目すべきは、高速道路での渋滞時に手放し運転を可能にする「ハンズ・オフ機能付き渋滞運転支援機能」です。私も実際にこの機能を体験しましたが、システムが車線と前走車を正確に認識し、ステアリング、アクセル、ブレーキを自動で操作してくれる精度は驚くほど高く、長距離移動や渋滞時のドライバーの疲労を劇的に軽減してくれます。

また、駐車が苦手な方には、車両がステアリングやブレーキ操作を自動で行い、駐車を完了させる「パーキング・アシスト・プロフェッショナル」も心強い味方です。2.7トン、全長5.1mを超える巨体でありながら、こうした先進技術のおかげで、日常での取り回しのストレスが大きく緩和されています。Mモデルというと走りの性能ばかりが注目されがちですが、XMは最上級の快適性と安全性を両立させた、極めてインテリジェントな一台でもあるのです。

この安全性は、物理的な側面からも言えます。重い車体は運動性能では不利に働きますが、万が一の衝突時には、その質量が乗員を守る強固な砦となる側面も持ち合わせています。XMは、攻めの走りだけでなく、守りの走りにおいても、オーナーに最高の安心感を提供してくれるのです。

では、実際にこの車を選んだオーナーたちは、どのような点に満足しているのでしょうか。

実際に所有するオーナーから見た満足度の高い点

メディアや評論家による評価と、実際に日々その車と生活を共にするオーナーの満足度には、しばしば隔たりがあります。XMに関しても、ネット上の批判的な意見とは裏腹に、オーナーからは高い満足度の声が聞かれることがあります。

私がこれまでに見聞きしたオーナーの方々の声から推察すると、満足度の高いポイントは大きく三つに集約されるように思います。
一つ目は、やはりその「圧倒的な存在感」です。ホテルのエントランスやゴルフ場の駐車場で、他のどんな高級車にも埋もれない特別なオーラ。これが所有する喜びを日々実感させてくれる、という声は非常に多いです。

二つ目は、「PHEVならではの二面性」です。平日の早朝、近隣に気兼ねなくEVモードで静かに出発し、週末のドライブではV8サウンドを存分に楽しむ。あるいは、大切な家族を乗せるときは快適な乗り心地を、一人で走りを楽しむときはスポーティーなセッティングを、というように一台で全く異なるキャラクターを使い分けられる利便性は、実際に所有して初めてわかる大きな魅力でしょう。これは、高性能スポーツカーと高級セダンの2台を所有しているかのような満足感を、1台で得られることを意味します。

そして三つ目は、「Mラウンジ」に代表される後席の快適性です。自分だけでなく、家族や友人といった大切な同乗者からも「この車は素晴らしい」と評価されることは、オーナーにとって大きな誇りとなります。XMは、ドライバーだけでなく、乗る人すべてを満足させる懐の深さを持っているのです。

これらの満足点は、XMが単なるスポーツカーではなく、新しい価値観を持つ乗り物であることを示唆しています。

新時代のラグジュアリーSUVとしての価値

未来的な都市の夜景を背景にBMW XMが停車し、日本人ビジネスマンが静かに微笑みながら遠くを見つめる。車体のゴールドアクセントがネオンに反射して輝く。

結論として、BMW XMを従来の「Mモデル」という物差しだけで測ることは、この車の本質を見誤らせるのかもしれません。XMは、BMW M社がこれまでの伝統的なスポーツカーの概念から一歩踏み出し、「パフォーマンス」「ラグジュアリー」「サステナビリティ(持続可能性)」という、現代に求められる三つの要素を極めて高い次元で融合させようとした、野心的な挑戦の産物なのです。

考えてみれば、M1が生まれた時代と現代とでは、社会が車に求める価値は大きく変化しました。XMのPHEVシステムは、環境への配慮という時代の要請に応えつつ、Mらしい爆発的なパワーを提供するという答えの一つです。そして、その豪華で個性的な内外装は、富裕層の価値観が「見せびらかす」ものから「パーソナルな体験や空間」へとシフトしていることを的確に捉えています。

XMは、過去のMの栄光を追いかけるのではなく、未来の「M」、そして未来の「ラグジュアリー」がどうあるべきかを、BMWなりに定義し、具現化したモデルと言えるでしょう。その姿は、今はまだ奇抜で理解しがたいものに映るかもしれません。しかし、10年後、20年後に振り返ったとき、このXMこそが新しい時代の幕開けを告げる一台だったと評価される可能性も、決してゼロではないのです。

「BMW XM ひどい」というキーワードから始まったこの記事も、いよいよ締めくくりです。批判と称賛、その両方を知った上で、私たちはこの車をどう捉えるべきなのでしょうか。

まとめ

BMW XMが「ひどい」と酷評される背景には、M専用モデルへの期待を裏切るデザイン、2.7トン超の車重による運動性能への懸念、PHEVコンセプトと価格設定への疑問があります。しかし、一方でV8エンジンとモーターが融合した圧倒的な加速力、ラウンジのような豪華な内装、他を寄せ付けない唯一無二の存在感など、批判だけでは語れない魅力も数多く存在します。この記事では、XMへの批判を深掘りしつつ、新時代のラグジュアリーSUVとしての真の価値を再評価しました。表面的な評価に惑わされず、この車の本質を知りたい方は、ぜひ本文でその詳細をご確認ください。

よくある質問

なぜBMW XMのデザインはそんなに批判されているのですか?

伝説の「M1」以来のM専用モデルだったため、ファンは軽量なスポーツカーを期待していました。しかし登場したのが巨大で威圧的なSUVだったため、その期待を裏切られたと感じる人が多いからです。特に巨大なキドニーグリルや分割式ヘッドライトは、伝統的なBMWのデザインとは大きく異なり、反発を招きました。

Mモデルなのに、なぜXMはそんなに重いのですか?

約2.7トンという車重の主な原因は、V8エンジンに加えて大容量バッテリーとモーターを搭載するプラグインハイブリッド(PHEV)システムにあります。この重さが、従来のMモデルが持つ軽快なハンドリングとは異なる印象を与え、批判の一因となっています。

XMのPHEVは中途半端だと言われるのはなぜですか?

パフォーマンスを追求するとバッテリーがすぐなくなり、重いエンジン車になります。一方、環境性能を重視するにはV8エンジンが大きすぎます。このように、スポーツ走行とエコ性能のどちらの観点から見ても「どっちつかず」に見えてしまうため、「中途半端」と評価されています。

XMの価格(2000万円以上)は高すぎると思いませんか?

ランボルギーニ・ウルスなど強力なブランド力を持つスーパーSUVが競合となる価格帯です。XMはM専用モデルとはいえ、物議を醸すデザインやコンセプトでこれらの競合と同等の価値を提供できているか疑問視されており、「強気すぎる」との声が上がっています。

批判が多いXMですが、良いところはどこですか?

V8エンジンと電動モーターを組み合わせた、システム合計653馬力の圧倒的な加速力は大きな魅力です。また、後席は「Mラウンジ」と呼ばれ、ソファのように豪華で快適な空間が広がっており、唯一無二の存在感と合わせて高く評価されています。

XMはどんな人におすすめの車ですか?

他人と同じものを好まず、自分の価値観を大切にする人におすすめです。圧倒的な存在感とパワー、そして豪華な室内空間を求め、従来のスポーツカーの枠にとらわれない新しいラグジュアリーの形に魅力を感じる方に最適な一台と言えるでしょう。

XMは伝統的なBMWファンには受け入れられないのでしょうか?

はい、残念ながら多くの伝統的なファンからは乖離していると見なされています。軽量・FR・直6エンジンといったBMWの伝統的な価値観とは大きく異なるSUV・4WD・PHEVという構成であるため、ブランドの哲学が変わってしまったと嘆くファンは少なくありません。

渡辺 悠真

最後までお読みいただきありがとうございます。XMはMモデルの伝統を破った存在として批判されがちですが、同時にBMWが未来に向けて放った新たな提案でもあります。私自身、M3やM5と共に過ごした日々があるからこそ、この大胆な変化には驚きと同時に興味をそそられました。もし「XMは本当にひどいのか?」と迷っているなら、その評価の背景と魅力の両方を知った上で判断してほしいと願います。機会があれば、XMのオーナー体験や長期使用レビューもお届けできればと思います。

※本記事では、一部に生成AIを活用して作成された内容が含まれる場合がありますが、その際は専属の専門ライターからの申告に基づき、監修者および運営チームが公式情報など信頼性の高い情報源に基づいて内容を確認・編集しています。なお、AIを使用していない記事についても、運営側で最終的な確認を行っています。
※1 本記事に掲載されている画像は、一部生成AIにより作成されたイメージであり、実在の人物・場所・物とは関係ありません。

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