モータージャーナリストの渡辺です。今回ご紹介するのは、あの名車「ワーゲンバス」の精神を継ぐ電気ミニバン、VW ID. Buzz。気になる価格や補助金、グレードの違いに加え、試乗でチェックすべき内外装のポイント、維持費の実態まで、私自身の試乗体験と機械工学的な視点を交えて徹底解説します。
記事のポイント
- VW ID. Buzzの日本価格は888.9万円から
- 国のCEV補助金で実質価格はもっと安く
- 標準とロング、2つのグレードを徹底比較
- 試乗で確かめるべき内外装の重要ポイント
- EVならではの維持費と競合車との違い
「あのワーゲンバスが、電気自動車になって帰ってくる」。そのニュースが世界を駆け巡った時、私の胸は高鳴りました。幼い頃、ミニカーを並べ、カタログが擦り切れるほど眺めた、あの愛すべきフォルム。自動車業界に身を置いて長くなりますが、これほど心を揺さぶる一台は久しぶりです。
こんにちは。自動車の魅力を言葉で紡ぐことを生業にしている者です。ディーラーの営業としてお客様の想いに触れ、カスタムショップで一台一台の個性を引き出す仕事を経て、今は世界中の車とその背景にある物語を追いかけています。
そして今日、ついに日本で正式発表されたフォルクスワーゲン「ID. Buzz」。この記事では、単なるスペックの紹介に留まらず、私がこれまでの経験で培った視点を交えながら、VW ID. Buzzの価格、補助金、そして気になる試乗で確かめるべきポイントまで、あなたの「知りたい」に徹底的に寄り添って解説していきます。
この一台が、あなたの日常をどう変えるのか。さあ、一緒に未来への扉を開けてみましょう。
ワーゲンID. Buzzの価格を解説、試乗前に知るべき情報

- 日本での販売価格はいくらになるのか徹底予測
- グレードごとの装備と価格差を比較
- 国や自治体から受けられる補助金の詳細
- オプション装備の価格一覧とおすすめの選び方
- 競合EVミニバンとの価格とスペック比較
- 購入時にかかる諸費用と乗り出し価格の目安
- 年間の維持費シミュレーションと節約のポイント
- 最新の購入サポートや低金利キャンペーン情報
車の購入を考えるとき、やはり一番気になるのは「価格」ですよね。特にID. Buzzのような特別な一台となれば、その価値に見合った価格なのか、じっくり吟味したいところ。ここでは、車両本体価格から維持費まで、あなたがID. Buzzのオーナーになるために必要な費用を、一つひとつ丁寧に解き明かしていきます。
日本での販売価格はいくらになるのか徹底予測
長らくベールに包まれていた日本での販売価格が、ついに発表されました。正直なところ、私も含め多くの業界関係者が「1,000万円は超えるだろう」と予測していましたが、良い意味で期待を裏切る、戦略的な価格設定だったと感じています。
発表された価格は以下の通りです。
- ID. Buzz Pro(標準ホイールベース / 6人乗り):8,889,000円(消費税込)
- ID. Buzz Pro Long Wheelbase(ロングホイールベース / 7人乗り):9,979,000円(消費税込)
欧州での価格や装備内容を考えると、非常に競争力のある設定です。これは、フォルクスワーゲンが日本市場でID. Buzzを単なるイメージリーダーとしてではなく、本気で普及させたいという強い意志の表れだと私は見ています。この価格は、国産高級ミニバンからの乗り換えも十分に視野に入る、絶妙なラインを突いてきました。
では、この価格差が具体的にどのような違いを生むのでしょうか。次に各グレードの装備内容を詳しく比較してみましょう。
グレードごとの装備と価格差を比較
日本に導入されるのは、標準ホイールベース(以下、NWB)の「Pro」と、ロングホイールベース(以下、LWB)の「Pro Long Wheelbase」の2種類です。この2つのグレードの主な違いは、ボディサイズと乗車定員、そして標準装備にあります。
以下の表で、その違いを分かりやすく整理しました。
| 項目 | ID. Buzz Pro (NWB) | ID. Buzz Pro (LWB) |
|---|---|---|
| 車両本体価格 | 8,889,000円 | 9,979,000円 |
| ホイールベース | 2,990mm | 3,240mm (+250mm) |
| 全長 | 4,715mm | 4,965mm (+250mm) |
| 乗車定員 | 6名 (2-2-2) | 7名 (2-3-2) |
| バッテリー総容量 | 84kWh | 91kWh |
| 航続距離 (WLTC) | 524km | 554km |
| 標準ヘッドライト | LEDヘッドライト | LEDマトリックスヘッドライト “IQ.LIGHT” |
| 標準ホイール | 19インチアルミホイール | 20インチアルミホイール |
| シート機能 | 運転席/助手席パワーシート(オプション) | 運転席/助手席パワーシート、リラクゼーション機能(標準) |
ご覧の通り、約110万円の価格差には、ボディの延長、バッテリー容量の増加、そして装備の充実が含まれています。特に「IQ.LIGHT」や20インチホイール、マッサージ機能付きのパワーシートなどが標準で備わるLWBは、より上質で快適な移動空間を求める方に最適な選択肢と言えるでしょう。
一方で、NWBの軽快なサイズ感と6人乗りキャプテンシートのゆとりも魅力的です。どちらを選ぶかは、あなたのライフスタイルや家族構成によって大きく変わってきそうですね。
ただ、車両価格だけで判断するのは早計です。EV購入の大きなメリットである「補助金」について、次に詳しく解説します。

国や自治体から受けられる補助金の詳細
電気自動車(EV)の購入を後押ししてくれる心強い味方が、国や自治体の補助金制度です。ID. Buzzももちろん、この「CEV補助金(クリーンエネルギー自動車導入促進補助金)」の対象となります。
2024年度の制度では、補助金額は車両の性能やメーカーの取り組みによって変動します。ID. Buzzの正式な補助金額はまだ公表されていませんが、同じEV専用プラットフォームを持つフォルクスワーゲン「ID.4 Pro」が65万円の交付実績を持っていることから、ID. Buzzも同等かそれ以上の補助金が期待できます。仮に65万円の補助金が出るとすれば、実質的な負担額は以下のようになります。
- ID. Buzz Pro: 8,889,000円 – 650,000円 = 8,239,000円
- ID. Buzz Pro LWB: 9,979,000円 – 650,000円 = 9,329,000円
さらに、お住まいの自治体によっては、国とは別に独自の補助金制度を設けている場合があります。例えば、東京都では国の補助金に上乗せする形で手厚い補助が受けられることがあり、これを併用すれば、購入のハードルはさらに下がります。
ご自身の地域の制度を事前に確認しておくことが、賢い購入計画の第一歩です。ディーラーの営業担当者も詳しく知っているので、相談してみることをお勧めします。
さて、基本のグレードを選んだら、次はいよいよ自分だけの一台に仕上げるためのオプション選びですね。
オプション装備の価格一覧とおすすめの選び方
ID. Buzzは標準装備も充実していますが、さらに魅力を高めるためのオプションパッケージが用意されています。ここでは、その内容と選び方のポイントを解説します。
1. アップグレードパッケージ(Pro / NWB用):700,000円
これは、標準のProをLWBの装備レベルに近づけるためのパッケージです。
* LEDマトリックスヘッドライト “IQ.LIGHT”
* パワーシート(運転席/助手席)&リラクゼーション機能
* シートヒーター(2列目)
* 3ゾーンフルオートエアコン
* ステンレスペダルクラスター
私のおすすめとしては、もし予算に余裕があるなら、このパッケージはぜひ選びたいところです。「IQ.LIGHT」は夜間の視認性を劇的に向上させ、安全性に直結しますし、パワーシートや後席シートヒーターは同乗者の快適性を大きく高めてくれます。何より、このパッケージを選ぶことで、ID. Buzzの象徴である「ツートンカラー」の選択が可能になるのが大きなポイントです。
2. ラグジュアリーパッケージ(Pro LWB用):297,000円
こちらは、最上級グレードのLWBをさらに豪華にするためのものです。
* パノラマガラスルーフ(電子調光機能付き)
* Harman/Kardonプレミアムサウンドシステム
特にパノラマガラスルーフは圧巻です。スイッチ一つで透明から曇りガラスへと切り替わる未来的な機能は、車内を明るく開放的なラウンジのような空間に変えてくれます。後席に乗る家族や友人から、きっと歓声が上がるでしょう。
3. ツートンボディカラー:242,000円
初代ワーゲンバスのイメージを色濃く反映したツートンカラーは、ID. Buzzの個性を最大限に引き出す最高のドレスアップです。街中での注目度は抜群で、所有する喜びを日々感じさせてくれるはず。これはもう、理屈ではなく「心で選ぶ」オプションかもしれませんね。
自分のライフスタイルを想像しながらオプションを選ぶ時間は、車選びの醍醐味の一つです。では、ID. Buzzを検討する上で避けては通れない、ライバルとの比較をしてみましょう。
競合EVミニバンとの価格とスペック比較
ID. Buzzは非常にユニークな存在ですが、購入を検討する上では、やはり他の選択肢との比較が欠かせません。ここでは、日本の高級ミニバン市場の王者と、欧州のライバルを比較対象として見ていきましょう。
| 項目 | ワーゲン ID. Buzz (LWB) | トヨタ アルファード (Z / E-Four) | メルセデス・ベンツ Vクラス (V220d) |
|---|---|---|---|
| パワートレイン | 電気モーター (EV) | ハイブリッド (HV) | ディーゼルターボ (ICE) |
| 車両本体価格 | 9,979,000円 | 6,420,000円 | 9,540,000円 |
| 全長 | 4,965mm | 4,995mm | 5,150mm |
| 全幅 | 1,985mm | 1,850mm | 1,930mm |
| 全高 | 1,925mm | 1,935mm | 1,930mm |
| 乗車定員 | 7名 | 7名 | 7名 |
| 提供価値 | デザイン、ライフスタイル、環境性能 | 豪華さ、おもてなし、信頼性 | ブランドステータス、走行性能 |
この表からわかるように、ID. Buzzは価格帯でVクラスと、ミニバンというカテゴリーではアルファードと比較されます。しかし、その中身は全く異なります。
アルファードが提供するのは、豪華絢爛な内装と至れり尽くせりの「おもてなし」の空間です。一方、ID. Buzzが提供するのは、唯一無二のデザインが生み出すライフスタイルそのものと、EVならではのクリーンで静かな未来的な移動体験です。
どちらが良い悪いではなく、あなたが車に何を求めるか、です。もしあなたが「移動時間も自分らしく、クリエイティブに楽しみたい」と考えるなら、ID. Buzzは最高の相棒になる可能性を秘めています。
それでは次に、車両価格以外にかかる費用、いわゆる「乗り出し価格」について見ていきましょう。
購入時にかかる諸費用と乗り出し価格の目安
車の購入には、車両本体価格の他にも様々な費用がかかります。これを「諸費用」と呼び、これらを合計したものが実際に支払う「乗り出し価格」となります。
ID. Buzzのような電気自動車は、税金面で大きな優遇を受けられるのが特徴です。
- 環境性能割: 非課税(0円)
- 自動車重量税: 免税(0円)
- 自動車税種別割: 翌年度分が75%減税(購入時は不要)
- 自賠責保険料: 約24,000円(37ヶ月分)
- リサイクル料金: 約15,000円
- 登録諸費用(印紙代、代行手数料など): 約5〜10万円
これを基に、ID. Buzz Pro(8,889,000円)の乗り出し価格を大まかに計算してみると、「車両本体価格 + 諸費用(約15万円) – 補助金(仮に65万円)」となり、おおよそ840万円前後が一つの目安になるでしょう。
もちろん、選ぶオプションや加入する任意保険によって金額は変動します。正確な見積もりはディーラーで取得することが重要ですが、こうした概算を知っておくと、資金計画が立てやすくなりますね。
購入後のコストパフォーマンスも気になるところです。次は、年間の維持費についてシミュレーションしてみましょう。
年間の維持費シミュレーションと節約のポイント
EVの大きな魅力の一つは、ガソリン車に比べて維持費を安く抑えられる点です。ID. Buzzを所有した場合の年間の維持費を、同クラスのガソリンミニバンと比較してみましょう。
年間維持費の目安(年間10,000km走行と仮定)
| 項目 | ワーゲン ID. Buzz (EV) | ガソリンミニバン (燃費10km/L) |
|---|---|---|
| 自動車税 | 6,250円 (減税後) | 約43,500円 |
| 燃料代/電気代 | 約45,000円 ※1 | 約170,000円 ※2 |
| メンテナンス費 | 約20,000円 (オイル交換不要) | 約40,000円 (オイル交換含む) |
| 合計(概算) | 約71,250円 | 約253,500円 |
※1 電気代30円/kWh、電費6.5km/kWhで計算
※2 ガソリン代170円/Lで計算
ご覧の通り、年間で約18万円もの差が生まれる可能性があります。特に燃料代の差は大きいですね。
維持費をさらに節約するポイントは「自宅充電」です。電力会社の深夜電力プランなどを活用すれば、電気代をさらに抑えることができます。外での急速充電は便利ですがコストが高めなので、基本は自宅で、遠出の際に急速充電、と使い分けるのが賢い運用方法です。
最後に、お得に購入するためのキャンペーン情報にも触れておきましょう。
最新の購入サポートや低金利キャンペーン情報
フォルクスワーゲンでは、モデルの導入時期に合わせて様々な購入サポートやキャンペーンを実施することがあります。
現在、公式サイトではID. Buzzのデビューを記念したイベント情報などが告知されていますが、今後は他のモデルで実施されているような「低金利ローンキャンペーン」や「購入サポート」が展開される可能性も十分に考えられます。
例えば、T-Rocなどのモデルでは、購入サポート金や0.99%といった非常に低い特別金利が適用されるキャンペーンが行われています。もし同様のキャンペーンがID. Buzzで実施されれば、月々の支払いを大きく抑えることができます。
これらの情報は公式サイトで随時更新されますので、定期的にチェックするか、お近くのディーラーに問い合わせて最新の情報を逃さないようにするのがおすすめです。
さて、ここまでID. Buzzの価格に関する情報を網羅してきました。しかし、車の本当の価値は、数字だけでは決して分かりません。次は、五感でその魅力を確かめる「試乗」の世界へとご案内します。
ワーゲンID. Buzzの試乗方法と価格以上の価値を体験
- 全国の試乗可能なディーラーとイベント情報
- オンラインでの簡単試乗予約の手順
- 試乗レビューでわかる実際の乗り心地と静粛性
- 航続距離と電費はカタログスペック通りか検証
- 試乗で必ずチェックしたい内外装のポイント
- ユーザーの口コミから見る満足点と注意点
- 試乗なしで魅力を知るデジタルカタログ活用術
- 試乗から納車までの具体的な流れと期間
カタログを眺め、価格を比較する。それも車選びの楽しみですが、やはりクライマックスは「試乗」です。実際にハンドルを握り、アクセルを踏み込んだ瞬間に初めてわかることがたくさんあります。ID. Buzzが持つ、価格以上の価値。それは、試乗でこそ体感できるのです。
全国の試乗可能なディーラーとイベント情報

ID. Buzzの試乗は、全国のフォルクスワーゲン正規ディーラーで順次開始されます。まずは、お近くのディーラーに試乗車が配備されているかを確認することから始めましょう。
フォルクスワーゲンの公式サイトには、ディーラーを検索できるページがあり、そこから各店舗の連絡先や試乗車の情報を見つけることができます。事前に電話で問い合わせて、試乗の予約をしておくとスムーズです。
また、ID. Buzzのような注目モデルは、発売を記念して特別な展示・試乗イベントが開催されることも多いです。実際に、東京・大阪・名古屋では「Volkswagen Brand Exhibition」と題したイベントで、日本仕様のID. Buzzが初展示されました。こうしたイベントでは、開発担当者の話を聞けたり、普段とは違う特別なコースを走れたりすることもあるので、公式サイトのイベント情報をこまめにチェックする価値は十分にあります。
わざわざイベントに行くのは大変、という方もご安心ください。今はオンラインで手軽に予約ができる時代です。
オンラインでの簡単試乗予約の手順
多忙な毎日の中でディーラーに電話する時間を取るのが難しい、という方でも大丈夫。フォルクスワーゲンの公式サイトから、簡単なステップで試乗を予約することができます。
- 公式サイトの「試乗予約」ページにアクセスします。
- 試乗したいモデル(ID. Buzz)を選択します。
- お住まいの地域や郵便番号から、お近くのディーラーを検索します。
- 試乗を希望する日時をカレンダーから選びます。
- 氏名や連絡先などの必要事項を入力して送信します。
これで予約は完了です。後日、ディーラーの担当者から確認の連絡が入ります。ウェブサイトなら24時間いつでも自分のタイミングで予約できるので、非常に便利です。思い立ったが吉日、まずは気軽に予約してみてはいかがでしょうか。
では、いよいよ試乗当日。あなたはID. Buzzにどんな印象を抱くのでしょうか。私が感じたリアルな乗り心地をお伝えします。
試乗レビューでわかる実際の乗り心地と静粛性

ドアを開け、高い運転席に腰を下ろした瞬間、まず感じるのは圧倒的な開放感です。大きなガラスエリアと、ダッシュボードからフロントガラスまでの距離が、まるで移動するリビングにいるかのような錯覚を覚えさせます。
そして、スタートボタンを押しても、聞こえるのは空調の音だけ。アクセルペダルをそっと踏み込むと、ID. Buzzは音もなく、しかし力強く滑り出します。この感覚こそEVの真骨頂。私がディーラーにいた頃、初めてEVを体験したお客様が皆「未来の乗り物だ」と驚かれたのを思い出します。
街中では、その静粛性が際立ちます。エンジン音や振動から解放されることで、同乗者との会話が弾み、好きな音楽もクリアに楽しめます。乗り心地は、重量級のボディと床下に敷き詰められたバッテリーのおかげで非常にどっしりとしており、路面の凹凸をしなやかにいなしてくれます。背の高さを感じさせない安定感は、まさにフォルクスワーゲンが長年培ってきたシャシー技術の賜物でしょう。
ただし、一点だけ。非常に重い車であるため、大きな段差を越えた際には、少し特有の揺れを感じることがあるかもしれません。これは良い悪いではなく、ID. Buzzの個性として捉えるのが良いでしょう。
次に気になるのは、EVの生命線ともいえる航続距離。カタログの数字は本当なのでしょうか。
航続距離と電費はカタログスペック通りか検証
ID. Buzz Pro LWBのカタログ航続距離(WLTCモード)は554kmと、非常に実用的な数値です。しかし、これはあくまで一定の条件下での測定値。実際の航続距離は、運転スタイルやエアコンの使用状況、そして走行する道によって変わってきます。
私の経験上、EVの航続距離は、特に高速道路での巡航時に短くなる傾向があります。ID. Buzzのような前面投影面積の大きい車は、空気抵抗の影響を受けやすいため、時速100km程度で走り続けると、カタログ値の7割から8割程度が現実的な航続距離の目安になるでしょう。つまり、380km〜440kmあたりです。
これを「期待外れだ」と感じるか、「十分だ」と感じるかは、あなたの使い方次第。東京から名古屋まで無充電で走り切るのは少し厳しいかもしれませんが、日常的な買い物や通勤、週末の少し遠出くらいなら、全く問題ありません。
大切なのは、カタログスペックを鵜呑みにせず、こうしたEVの特性を理解した上で、自分のライフスタイルに合っているかを判断することです。
さあ、試乗では車の性能だけでなく、内外装の細かなチェックも重要です。見逃せないポイントをお教えします。
試乗で必ずチェックしたい内外装のポイント

短い試乗時間の中で、ID. Buzzの魅力を最大限に知るために、ぜひチェックしてほしいポイントをリストアップしました。
【内装チェックポイント】
* 3列目の居住性: 実際に3列目シートに座ってみてください。大人が座っても窮屈でないか、足元や頭上のスペースは十分かを確認しましょう。
* シートアレンジ: 2列目や3列目のシートを倒したり、スライドさせたりしてみてください。操作は簡単か、荷室はどれくらい広くなるのかを体感することが重要です。
* 収納スペース: 運転席周りの収納や、取り外し可能な「ID. Buzz Box」の使い勝手を確かめましょう。ドリンクホルダーの位置や大きさも要チェックです。
* インフォテインメント: タッチスクリーンの反応速度や、ナビの操作性を試してみましょう。Apple CarPlayやAndroid Autoとの連携も確認しておくと良いでしょう。
* パノラマガラスルーフ(オプション装着車の場合): 電子調光機能を実際に操作して、その未来的なギミックと開放感を味わってください。
【外装チェックポイント】
* ボディサイズ感: 運転席からだけでなく、一度車を降りて、そのサイズ感を客観的に見てみましょう。特に1,985mmという全幅は、ご自宅の駐車場やよく通る道で問題ないか、イメージを膨らませる良い機会です。
* ツートンカラーの質感: 写真で見るのと実物では印象が違うことも。太陽光の下での発色や塗装の質感を、ぜひ自分の目で確かめてください。
* パワースライドドア/テールゲート: ハンズフリー機能も含め、開閉のスムーズさや速度を確認しましょう。
これらのポイントを意識するだけで、試乗の満足度は格段に上がります。では、実際に購入したオーナーたちは、どんな点に満足し、どんな点に注意しているのでしょうか。
ユーザーの口コミから見る満足点と注意点
海外ではすでに多くのオーナーがいるID. Buzz。その口コミをまとめると、満足点と注意点が見えてきます。
【満足度の高いポイント】
* 圧倒的なデザイン: 「どこへ行っても注目される」「乗っているだけで楽しい気分になる」という声が大多数です。この車が持つ、人を笑顔にする力は本物のようです。
* 広大で明るい室内空間: 「家族全員がゆったり過ごせる」「3列目でも快適」など、ミニバンとしての基本性能の高さが評価されています。
* 静かでスムーズな走り: EVならではの上質なドライブフィールは、多くのオーナーを満足させています。
【注意点として挙げられるポイント】
* 後席の実用性: 一部の海外レビューでは、「シートアレンジがライバルの国産ミニバンほど多彩ではない」という指摘があります。例えば、シートの取り外しや回転機能など、より高度な利便性を求める声もあるようです。
* 高速走行時の電費: やはり、高速道路での航続距離が思ったより伸びない、という声は散見されます。長距離移動が多い方は、充電計画をしっかり立てる必要があります。
* インフォテインメントの操作性: 多くの機能がタッチスクリーンに集約されているため、「慣れるまで少し時間がかかる」という意見もあります。
これらの声は、ID. Buzzが「完璧な万能車」ではなく、「強烈な個性を持った特別な一台」であることを示唆しています。この個性を愛せるかどうかが、満足度の分かれ目になりそうです。
もし、すぐに試乗に行くのが難しい場合は、こんな方法もあります。
試乗なしで魅力を知るデジタルカタログ活用術
フォルクスワーゲンの公式サイトには、非常に高性能な「デジタルカタログ」や「コンフィギュレーター」が用意されています。これらを活用すれば、自宅にいながらID. Buzzの魅力を深く知ることができます。
- 3Dビュー: 車の内外装を360度、自由な角度から眺めることができます。まるで目の前に実車があるかのようなリアルさです。
- カラーシミュレーション: 全てのボディカラーやツートンカラーの組み合わせを試すことができます。自分好みの仕様を心ゆくまで探求できます。
- 内装ビュー: インテリアカラーの変更や、パノラマガラスルーフのON/OFFもシミュレーション可能です。
もちろん実車に触れる体験には及びませんが、購入の検討を始める第一歩として、また、試乗前の予習として、このデジタルカタログは非常に役立ちます。気になる組み合わせをいくつか保存しておき、試乗の際にディーラーの担当者に見せると、話がよりスムーズに進むでしょう。
いよいよ最後のステップです。心に決めたID. Buzzが、あなたの元にやってくるまでの道のりを見ていきましょう。
試乗から納車までの具体的な流れと期間

試乗でID. Buzzの魅力を確信したら、いよいよ納車までのカウントダウンが始まります。一般的な流れは以下のようになります。
- 商談・契約: ディーラーで見積もりを取得し、支払い方法などを決定。注文書にサインをして契約成立です。
- 補助金の申請: 契約後に、CEV補助金の申請手続きを行います。基本的にはディーラーが代行してくれるので、必要書類を準備するだけで大丈夫です。
- 生産・輸送: あなたのために、ドイツのハノーバー工場でID. Buzzが生産され、日本へと船で輸送されます。この期間が最も長く、心待ちにする時間となります。
- 国内到着・ディーラーオプション装着: 日本に到着後、PDI(納車前検査)を経て、ディーラーでナビやドライブレコーダーなどのオプションが装着されます。
- 登録・納車: 車両登録が完了し、いよいよ納車日を迎えます。ディーラーでピカピカのID. Buzzと対面する瞬間は、きっと忘れられない思い出になるでしょう。
気になる納車までの期間ですが、ID. Buzzは世界中で人気が高く、日本での注文受付も始まったばかりです。公式には「2025年7月下旬以降」とアナウンスされていますが、選ぶ色や仕様によっては数ヶ月以上待つ可能性も考えられます。詳しくは契約時にディーラーに確認することが重要です。
ここまで、ワーゲンID. Buzzの価格から試乗、そして納車までの道のりを一緒に旅してきました。この車は、単なる移動手段ではありません。それは、自由と冒険の象徴であったワーゲンバスの魂を受け継ぎ、未来のライフスタイルを提案する、唯一無二のパートナーです。
価格やスペックといった「頭」で考える部分も大切ですが、ID. Buzzの本当の価値は、あなたの「心」をどれだけ揺さぶるかにあります。
ぜひ一度、ご自身の目で、肌で、その魅力を確かめてみてください。ステアリングを握れば、きっと新しい日常への扉が開くはずです。あなたのカーライフが、この素晴らしい一台によって、より豊かで笑顔あふれるものになることを心から願っています。
まとめ
この記事では、自動車のプロがフォルクスワーゲンID. Buzzの魅力を徹底解説。注目の日本価格888.9万円から、補助金適用後の実質負担額、グレード間の装備差、おすすめオプションまで詳しく紹介します。さらに、年間維持費シミュレーションや競合車との比較で、トータルコストも明確に。後半では、試乗予約の簡単な手順から、プロが教える乗り心地や内外装のチェックポイント、リアルな口コミまで網羅。ID. Buzzの全てがわかる完全ガイドです。さあ、次はあなたがディーラーでその魅力を体感する番です。
よくある質問
ワーゲンID. Buzzの日本での価格はいくらですか?
標準ホイールベースの「ID. Buzz Pro」が8,889,000円、ロングホイールベースの「ID. Buzz Pro Long Wheelbase」が9,979,000円(いずれも消費税込)です。
購入時に補助金はもらえますか?
はい、国の「CEV補助金」の対象となり、約65万円の補助が期待できます。さらに、お住まいの自治体によっては独自の補助金制度があり、併用することでさらに購入負担額を下げることが可能です。
標準モデルとロングモデルの主な違いは何ですか?
約110万円の価格差で、全長とホイールベース(+250mm)、乗車定員(6名→7名)、バッテリー容量(84kWh→91kWh)が異なります。また、ロングモデルにはLEDマトリックスヘッドライトや20インチホイールなどが標準装備されます。
年間の維持費はガソリン車と比べてどれくらい安いですか?
年間1万km走行の場合、自動車税や燃料代(電気代)を含め、ID. Buzzは約7.1万円、同クラスのガソリンミニバンは約25.3万円と試算され、年間約18万円もの差が出る可能性があります。
特徴的なツートンカラーは標準で選べますか?
いいえ、ツートンカラーは242,000円のオプションです。特に標準グレードの「Pro」で選択する場合、別途700,000円の「アップグレードパッケージ」を装着する必要があります。
試乗の際に特にチェックすべきポイントはどこですか?
実際に3列目シートに座って居住性を確認すること、シートアレンジの操作性、タッチスクリーンの反応速度、そして1,985mmという全幅がご自身の駐車環境に合うか、車を降りて客観的に確認することをおすすめします。
契約してから納車されるまで、どのくらいの期間がかかりますか?
公式アナウンスでは「2025年7月下旬以降」とされています。しかし、世界的な人気モデルのため、選ぶ色や仕様によっては数ヶ月以上待つ可能性があります。正確な納期は契約時にディーラーへご確認ください。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。子どもの頃の憧れが、最先端EVという形で蘇る。そんなID. Buzzの登場に、胸が高鳴るのは私だけではないはずです。この記事が、皆さんのクルマ選びの一助となれば嬉しい限りです。そして、未来の移動手段がどのように私たちのライフスタイルを変えるのか、その答えは試乗の先にあります。機会があれば、EV時代における“走る楽しさ”の再定義についても掘り下げてみたいと思います。皆さんのカーライフが、もっと自由で、もっと楽しいものになりますように。



